ヒューマンファクターとは

ヒューマンファクター

ヒューマンファクター(英:human factor(s))とは、人間や組織・機械・設備等で構成されるシステムが、安全かつ経済的に動作・運用できるために考慮しなければならない人間側の要因(人的要因)を指す。機械・設備等や職場環境などについて人間本位で考える学問・研究分野という意味もある。

 

古来、もともと安全は自己責任で確保するというのが安全衛生上の基本であった。しかし、人間はエラーをする生き物であるがために、20世紀後半以降に機械・設備を改良して安全性を補う考え方が普及していった。それでも安全性を補うには、限界があるため、安全性を補うとともに、人間自身が安全を意識し、安全を確保するための技量を身につけることが探求され、現在に至る。

航空宇宙産業、装置・設備産業、運輸産業、製造業、医療といった危険と隣り合わせの業界では、積極的にヒューマンエラーの問題に対する取り組みを行い、対策を積み重ねていったが、結局は「人間の問題」が最後までついてまわった。ヒューマンエラーが事故に直結しないようにするため、人間の特性を分析して人間を中心にしたシステムを考えて構築することが研究のテーマとされている。

main

ヒューマンファクターの概要

ヒューマンファクターの概要

042どんな対策を講じても、どんなに教育や訓練を受けたとしてもヒューマンエラーを完全になくすことは不可能であるため、エラーと共存し、コントロールすることによって被害を最小限に留めることを最重要としている。
システムを構成する要素のうち、運用する人間ほど信頼性の低いものはなく、人間に頼ることを第一とした安全対策は脆弱であるという考えを前提としているからである。

研究が進むにつれ、対象は「個人」だけでなく、「チーム」や「組織」などの集団へと広がる。

なお、ヒューマンエラーは、ヒューマンファクターの負の結果について述べたものであり、ヒューマンファクターの一部である。

 

エラーマネージメント

テキサス大学の R.Helmreichは、人間のエラーと共存し、その結果をコントロールするという エラーマネージメントの理念について説明し、ヒューマンエラーの対処を三段階に考えた。

  • 潜在的な危険を予測(状況認識、認識の共有)し、エラーを未然に防止する。
  • エラーが出うる状況を発見した時は速やかに指摘し、エラーを出さない環境へ修正を行う。
    (和やかな雰囲気作りやコミュニケーションを取る、職場の環境改善、適切な権威勾配やリーダーシップ)
  • エラーを発見したときは被害が拡大する前に速やかに処理を行う。

 

スレットマネージメント

スレットは、エラーを誘発する要素であり、要素に対して不適切な対応をとるとエラーを誘発し、マネージメントをより困難にしてしまう。スレットには大きく分けて2つあり、

  • 潜在的スレット:国民的文化、組織文化、職業文化、スケジュール、曖昧な方針など。
  • 顕在的スレット:環境要因、組織要因、個人的要因、チームの要因など。
    (急がされる、集中できない、プレッシャー、疲労、ストレス、焦り等)

が挙げられる。

スレットマネージメントには3つのステップがある。

  • 見つける : 適度な警戒心をもって監視を行い、スレットを発見したらその影響を予測する。
  • 避ける : 発見したスレットに対してどのように対処するか、仲間・同僚間で認識を共有する。
  • とらわれない : 突然発生・発見したスレットに対してはそのことにとらわれないで重要であるかどうかを見定める。

スレットによるエラーを回避する具体的解決策として、

  • 自分自身がスレットを作り出さない。
  • 他人からの指摘を素直に受け入れる。
  • ある決定や行動を行った後は反省する。
  • 避けられないスレットはその存在を明確にする。

などが挙げられる。

 

リスクマネージメント

リスクマネジーメントは潜在化しているリスクを発見し明らかにすることで、エラーが発生した場合の損失などの回避・低減をはかるための管理手法である。複数のリスクを抱えている場合はそれらを分析することにより対応の順番と適切な対策方法を見出すことが重要である。

考え方は大きく分けて2つあり、システムの構築前と運用・稼動開始後に分けられる。前者はシステムを構築するに当たり、想定できるリスクを見出してそれらの回避をはかる事を目的とし、後者はシステム運用開始後に潜在化されたリスクの低減を目的としている。

知識の蓄積

ヒューマンエラーを減らすためにはシステムに携わる人間のそれに対する知識が一定以上は必要であるということ。知識は教育と訓練によって身につき、資格の取得によって訓練度がわかる。

ヒューマンエラー

ヒューマンエラー

概要では、研究発表に基づくエラーを回避する方法について述べました。
では、ヒューマンエラーはどのようにして起こるのでしょうか。もう一度かみ砕いて説明してみます。

 

ヒューマンファクターとは

gazou15ヒューマンファクターとは、人間の行動特性のことで、錯覚、不注意、近道行為、省略行為に代表され、いわゆる人間の4つの行動特性を言います。

人間は赤信号で道を渡る行為は危ないと思っていても、急いでいたり、車が一台も走っていないと思うと赤信号を渡ってしまう生き物です。しかし、しっかり他人には交通規則を守ることを希望するため、人間は不注意な生き物と言うことを忘れ、相手はちゃんと規則を守って運転しているから大丈夫だと錯覚し、大事故が起きてしまうのです。

 

ヒューマンエラーとは

ヒューマンエラーとは、人間の判断ミスや不注意が原因で事故や災害が発生することをいいます。判断ミスとは、認識・認知、判断・決定ミス、操作・動作ミスの不安全行動。不注意とは、うっかり・ぼんやりなどの不安全状態に分かれます。

たとえば、次の状態はこのようにあらわせます。

  • コピーを頼まれたが、コピー機の操作が分らずに大量コピーをしてしまった – 不安全行動(認知不足)
  • コピーする際に枚数が100枚になっていることに気付かず大量コピーをしてしまった – 不安全状態(ぼんやり)
  • 赤信号に気付かずわたってしまった – 不安全状態(ぼんやり・うっかり)
  • 車の運転中にアクセルとブレーキを間違えてしまった – 不安全行動(判断ミス・操作ミス)
  • 試合中(特にサッカー・野球などの集団スポーツ)に、選手である自分だけサインの意味がわからず試合に負けてしまった – 不安全行動(認知不足)
  • お風呂の設定温度が47度になっていることに気付かずそのまま沸かしてしまい、重症やけどを負わせてしまった – 不安全状態(ぼんやり・うっかり)

思い当たるふしはありませんか?いずれも自分だけではなく、大勢の人を巻き込んでしまう大事故となってしまいます。もしかしたら、命にかかわる大事故を貴方が引き起こしてしまうかもしれない。うっかりでは済まされない、知らなかったでは済まされないのです。

この「うっかりしてた」「わからなかった」などが、ミスを連発する原因となるのです。
では、なぜ人はミスをするのか・・・・それを防ぐためにはどうしたらよいか
これらを考えることが「ヒューマンファクター」のテーマなのです。

TOPへ戻る